• 業界動向
  • 法曹界に関する動向、関連ニュースなどをまとめています。
韓国子会社の事業撤退=「司法判断に懸念」-半導体関連のフェローテッ

韓国子会社の事業撤退=「司法判断に懸念」-半導体関連のフェローテック

先日、日本の半導体関連メーカーである「フェローテック」が、韓国子会社での事業から撤退すると発表しました。これは、昨年からの韓国における「司法判断」に懸念を示してのことです。

具体的には韓国における「徴用工判決」や最近フェローテックに対して起こされた民事裁判などが影響しています。

今回は、国と国との関係にまで影響を及ぼすことのある「司法のあり方」について、考えてみましょう。

徴用工判決とは

今回のフェローテックによる韓国子会社の撤退の決断には、昨年の韓国における「徴用工判決」が影響していると言われています。徴用工判決とは、戦時中に日本によって強制労働させられた労働者が日本企業の「新日鉄住金」に損害賠償請求をした事件に対する判決です。

強制労働問題については、過去に日本政府と韓国政府が話し合い、日本政府は損害賠償を終えています。しかし韓国の裁判所は元徴用工の原告らの請求を認め、「植民地支配に直結する企業の不法行為などについては、国同士の協定による補償対象に含まれていない」などと判断して、新日鉄住金に支払命令を出しました。それが徴用工判決です。

この判決に対して、日本では「紛争の蒸し返し」という批判が高まっており、「司法が民意におもねったもの」とも言われています。

また韓国に進出していた日本企業の多くが「このままでは自社も訴えられるのではないか」と懸念し、撤退を検討せざるを得なくなりました。たとえば富士ゼロックスなども韓国からの撤退を表明した企業の1つです。

フェローテックが韓国から撤退した理由

今回、日本の半導体慣例メーカーであるフェローテックが韓国から撤退したのは、直接韓国人から徴用工の損害賠償請求を受けたからではありません。

2019年2月、フェローテックの元従業員3名が「不正競争防止および営業機密保護に関する法律違反」の罪で捜査を受け、韓国検察当局によって起訴されました。

この件に関連して、先日「韓国東海カーボン株式会社」がフェローテックに対し民事訴訟を起こしました。

フェローテックとしてはこのまま韓国にいると、民意におもねる傾向のある韓国の裁判所では公正な判断をしてもらえず「ゆがめられた司法」によって大きな不利益を受けざるを得なくなると懸念し、撤退を決断したのです。

司法の独立性とは

今回、韓国の裁判所が韓国国民におもねるようにして、日本の企業に厳しい対応をとったことにより、日本企業は韓国からの撤退を余儀なくされています。

このように、司法が国民におもねることは、本来あってはならないことです。

司法というのは、国民によっても行政によってもコントロールされず、独立性を保っている必要があるものです。司法が従うのは「法律」のみであるべきです。

そのことで国民は安心して暮らし、企業は安心して事業を営み、国が生産性を高めて発展していけるのです。

司法が誰かにおもねって信頼を失ってしまったら、今回の件のように国内の「人」や「企業」が外へと出て行ってしまい、結果的に国力が衰退します。

韓国の司法が必ずしも韓国国民におもねって徴用工判決を下したわけではないのかもしれませんが、傍目にはそのように映ることは事実ですし、これによって日本企業が撤退していることも事実です。

司法が独立性を失うことは、国力の衰退に直結することを、我々としても教訓として理解しておくべきです。

まとめ

普段の生活で、司法の独立性について考えることはあまりないかもしれません。しかしこのことは、私たちが安心して暮らし発展していくための基本中の基本です。 近代国家では、どこの国でも司法は行政や国会によるコントロールを受けずに独自性が保たれています。今後韓国の司法がどのような判断を下していくのか、また韓国と日本の関係がどのように進展あるいは後退していくのか、観察していきたいところです。

関連記事一覧