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司法試験の予備試験制度について

司法試験の予備試験制度について

現在、弁護士や裁判官、検察官などの「法曹」資格を得るには、法科大学院を卒業して司法試験を受ける方法と、法科大学院に行かずに「予備試験」に合格して司法試験を受ける方法があります。

また2020年には新たに「法曹コース」という1種の飛び級制度ももうけられます。

予備試験については賛否両論あるところですが、今回は予備試験のメリットとデメリット、今後の予備試験のあり方について考えてみましょう。

予備試験とは

予備試験は、司法試験の受験資格を得るための試験です。一般的な法科大学院を修了した後に司法試験を受けるルートとは別に用意されています。受験資格は誰にでも認められます。

もともと旧司法試験では誰でも受験できたのですが、法科大学院ができたため当時の旧司法試験の受験生は司法試験を受けられなくなりました。そこでそれまで旧司法試験を受け続けていた人のために旧制度も一部残すため、経過措置として予備試験が作られました。

当初は旧司法試験制度のなごりのようなイメージでしたが、予備試験は今でも廃止されずに残っています。最近ではむしろ「法科大学院に行くよりも予備試験に合格する方が、メリットが大きい」などと言われています。

予備試験の合格率

予備試験は非常に合格率の低い試験です。2018年度の結果を見ると、受験者数が13746人であるのに対し、最終合格者数が459人で、合格率はわずか3.8%です。だいたい毎年合格率は3.5~4.0%程度で推移しています。

予備試験は法科大学院を修了しなくても受けられるので若い合格者も多く、法曹関係者の間でも、予備試験に合格した人は「優秀」であると受け止められています。

法科大学院と予備試験合格者両者の司法試験合格比率

実際に法科大学院を修了した人と予備試験の合格者を比べると、司法試験の合格率は予備試験合格者の方が高くなっています。

2018年度の司法試験合格者率を見ると、予備試験出身者の場合には77.6%となってダントツのトップです。

2位が京都大学法科大学院の出身者で59.3%、3位が東京大学法科大学院出身者の48.0%と続きます。

予備試験を受けるメリット

1.受験資格が不要

予備試験のメリットの1つは受験資格が不要なことです。法科大学院を卒業しなくても受けられるので、費用と時間の節約になります。

お金がない環境の方でも法曹になるチャンスを得られますし、大学在学中に予備試験に合格することも可能です。

2.就職に有利

予備試験合格者は、就職に有利と言われます。

年齢が若く優秀な人が多いので、弁護士事務所側も積極的に予備試験合格者を採用したいと希望するからです。予備試験の合格発表があるとすぐに事務所説明会などが始まり、実質的に内定を出してしまう弁護士事務所も多いと言います。予備試験の合格者は少ないので、各事務所で奪い合いになります。

法科大学院の出身者が、修習中に就職活動を行って就職先を決めていくのと比べると大きな差があります。

予備試験を受けるメリット

予備試験を受けるデメリット

1.合格率が低い

予備試験のデメリットは、合格率が4%弱と非常に低く難関であることです。何回受けたから合格できるというものでもありません。

いずれ法科大学院に行く予定が明確な大学生などであればまだしも、そうでない方(会社員をやめた方など)には将来に不安が残ります。

それであれば、確実性の高い法科大学院への入学を選択した方が安心感はあります。

2.広範囲で深い勉強が負担になる

予備試験は難しい試験です。範囲も広く深い知識や理解を要求されます。独学で勉強するのは大変ですし予備校に行ってもそれなりの時間と労力、費用がかかるでしょう。

投資をしても必ず合格できるわけではありません。

甘いものではないのです。

予備試験を受けるデメリット

まとめ

今後法曹になりたい方は、予備試験の受験を考えてみるのも1つです。将来法科大学院に進学する予定の法学部の大学生や現在法科大学院生の方であれば、予備試験を受けるデメリットも小さくなります。今後の参考にしてみてください。

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