71期司法修習終了者の就職状況からみる今後の対策

かつて「司法試験に合格しても就職できない」などと言われていた時期もありましたが、近年では修習生の就職状況が大きく変化しています。

修習生が不足している「売り手市場」の時代が到来しているのです。

今回は、直近の71期司法修習終了者の就職状況を踏まえて、今後の修習生の就職対策について考えてみましょう。

71期司法修習終了者の就職状況

71期の司法修習生がどのようなところに就職した例が多かったのか、みてみましょう。

東京に半数以上の弁護士が登録

71期の司法試験合格者数は1517人です。そのうち、司法修習に行かなかったものや判事補、検事になったものなどをのぞいた法律事務所就職者の総数は1199名です。

そのうち半数以上が「東京の3つの弁護士会」に登録しています。

大都市圏に弁護士が集中

東京、大阪、名古屋の3大都市圏に就職する修習生が全体の約7割となっています。

このことからわかるのは、弁護士が「都市圏に集中している」現実です。

修習生全体の人数は減っているので、地方に就職する人はかなり少なくなっていることが読み取れます。

5大事務所に16%が登録

さらに注目すべきは、東京の5大事務所の動向です。5大事務所とは以下の5つの法律事務所です。

  • 西村あさひ
  • 森・濱田・松本
  • アンダーソン・毛利・友常
  • 長島・大野・常松
  • TMI

これらの事務所は、いわゆる町弁の取り扱うような個人の一般民事や刑事は扱わず大企業の契約やM&A、ファイナンスや渉外案件などのいわゆる大規模な「企業法務」を取り扱っています。

もともと所属弁護士数も多いのですが、修習生の獲得にも熱心で、71期は実に16%もの修習生が5大事務所に就職しています。

地方や企業内弁護士は少数

一方、企業内弁護士は人数を減らしており、わずか52名です。ただし女性の割合が多い(44%)ことには注目すべきかもしれません。

また就職先が都市圏に集中する分、地方に就職する修習生は減少しています。

弁護士の偏在化が進んでいると言えるでしょう。

判事補や検事は変わらず

判事補や検事については、昔も今も大きくは変わりません。判事補と検事になるものの合計は、毎年だいたい10%で推移しています。これについては当面今後も変わらないと予想されます。

即独はほとんどいない

一時期は就職できない司法修習生が「即独」していることが話題になっていましたが、71期を見る限り即独はほとんど見かけなくなっています。正確な統計は不明ですが、他のデータなどからすると1%にも満たないのではないと考えられます。

需要と供給のバランスと、広がる活躍の場

需要と供給のバランスと、広がる活躍の場

以上の結果からして今後の就職対策としてどのようなことが言えるのでしょうか?

まず大規模企業案件や渉外案件に関心があるなら、迷わず5大事務所に応募するのが良いでしょう。早期の段階で応募していくつかの事務所を巡り、採用を目指しましょう。

東京や大阪、名古屋などの大都市圏でも選ばなければ就職はしやすい傾向にあります。ただし一般の個人事務所などの場合、給料は高くはないケースもあり条件は慎重に見極めるべきです。

地方への就職者が少ないのですが、これは需要が減っているのか希望者が少ないのかがはっきりしません。希望するのであれば、修習地や出身地の個人事務所にアタックしてみるのと良いでしょう。

企業内弁護士は数を減らしているので需要が高いとは言いにくいのですが、労働基準法が適用される分、女性にとっては働きやすい職場です。ワークライフバランスを実現したい方は、一度募集企業を探して応募してみると良いでしょう。

まとめ

近年の司法修習生は、明らかに従前と比べて就職しやすい環境になっています。今後も司法試験の合格人数は絞られる傾向が続くことから、この環境は継続すると予想されます。

売り手市場ですので、自分のやりたいことができそうな環境に積極的に応募していくのが良いでしょう。

まず大規模企業案件や渉外案件に関心があるなら、迷わず5大事務所に応募するのが良いでしょう。早期の段階で応募していくつかの事務所を巡り、採用を目指しましょう。

東京や大阪、名古屋などの大都市圏でも選ばなければ就職はしやすい傾向にあります。ただし一般の個人事務所などの場合、給料は高くはないケースもあり条件は慎重に見極めるべきです。

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