• 業界動向
  • 法曹界に関する動向、関連ニュースなどをまとめています。
人工知能(AI)の導入が弁護士業界へ与える影響

人工知能(AI)の導入が弁護士業界へ与える影響

最近ではさまざまな分野において「AI」が進出してきており、弁護士業界も決して例外ではありません。

実際、世界初の人工知能弁護士「ROSS」がアメリカ大手弁護士事務所と契約し、契約書チェックや判例調査などの活動を開始しています。日本でもAIを活用して契約書作成などの弁護士業務をサポートするサービスが始まっており、今後はさらに活躍の範囲が拡大されていくでしょう。

今回は、AIによるリーガルサービスと「人」の弁護士が共存していけるのか、人の弁護士が不要になってしまうのではないかなど、「AIが弁護士業界に与える影響」について考察してみたいと思います。

AI弁護士の活用事例

世界では「AI弁護士」が活動を開始しています。AI自身が弁護士業務を行っているのです。どのように活躍しているのか?と思われるでしょうから、まずはAI弁護士の活用事例をご紹介します。

まずアメリカでは2016年5月から「ROSS」という人工知能の「弁護士」が活動を開始しています。主に担当しているのは破産関係の事件処理や判例調査、契約書チェックなどです。AIのみが独立して業務を行うというよりも、人の弁護士と共同で業務を行っており、すでに12の法律事務所で導入済みといいます。

日本でも「Al-con」や「Legal Force」といったAIを使った契約書チェックサービスが始まっています。Al-conは主に企業が契約書のチェックをするときに利用されており、Legal Forceの方は主に弁護士が業務として契約書をチェックするときにサポート役として利用されています。

AI弁護士と人弁護士は共存可能か

AI弁護士と人弁護士は共存可能か

「AIが普及すると人の弁護士の仕事が奪われるのではないか?」という声がよく聞かれます。

ただ現状から察するところ、すぐにAIが弁護士の仕事を奪ってしまうということは考えにくいでしょう。弁護士業務にはどうしても「人にしかできない要素」があるからです。

たとえば相談者に共感し、安心感を与えたり親近感を抱かせたりするのは、今のところ「人」の弁護士にしかできません。

また相談者自身が自覚していない根本的な問題を深い洞察力によって把握し、それを法的な対処方法に落とし込み、適切なアドバイスを行ったり手続選択をして進めていったりすることも、今のAIには困難でしょう。

法律トラブルの解決方法は1つではないので、それぞれメリットやデメリットを説明して依頼者に選んでいただく必要がありますし、弁護士によっても勧める解決方法が異なるケースもあります。果たしてAIにそのような機微のある対応が可能か、疑問です。今後大きく技術が進歩して本当に人間と変わらないようなAIが誕生すれば別ですが、今の状況ではAIが弁護士に取って代わることは考えにくいと言えるのです。

ただし、分野によってはAIが早々に弁護士に取って代わる可能性があります。たとえば債務整理や簡単な交通事故案件、定型的な訴訟作成と提訴などの手続きであれば機械的な対応ができるので、AIが進出しやすいと言えます。

AIを活用して弁護士が働きやすくなる

実は今、Al-conやLegal Forceを開発しサービス提供しているのは「弁護士」です。これらの弁護士の先生方は、自らAIを活用して弁護士の負担軽減や業務拡大につなげようとしています。その試みは成長を続けており、今後も発展するでしょうし類似のサービスが開始される可能性も十分にあります。

弁護士とAIの関係の方向性としては「人弁護士がAIに取って代わられる」のではなく「AIを人弁護士が上手に利用する」方へ向かっているように見えます。

この流れにうまく乗ることができれば、AIと共存しつつ弁護士の仕事を効率化して業務も拡大するという、非常に好ましい状況を作ることができそうです。

もちろん簡単にはいかないでしょうけれど、そういった形を作ることが理想型と言えるでしょう。

まとめ

AIが台頭してきたからと言って、おそれてばかりでは何もできません。弁護士となったからにはAIをも上手に利用しつつ、より高みにまで飛躍していきたいところです。

弁護士となったからにはAIをも上手に利用しつつ、より高みに

関連記事一覧