地方での弁護士の重要性

地方での弁護士の重要性

弁護士としてどこに就職すべきか悩んだとき「都会か地方か」という選択肢があります。しかしいきなり地方開業することに躊躇するケースもあるでしょう。地方では弁護士の需要がどのくらいあるのでしょうか?

今回は地方における弁護士の重要性について、ご紹介していきます。

弁護士登録の地域格差について

現在、修習を終えた新規登録弁護士がどこの地域に登録することがもっとも多いかご存知でしょうか?

実は約半数が東京に就職しています。既存の弁護士数も半数程度は東京3会に集中しています。2018年3月31日時点における日本の全弁護士数は40006人ですが、うち東京3会に属している人数が18879人です。神奈川などの関東の弁護士会全体では24102人にもなります。

司法制度改革によって「弁護士が増えた」と言われていますが、それによって地方に弁護士が分散したというよりは「東京の弁護士が激増した」と言った方が正しいような状況です。

もちろん全体の人数が増えているので、地方の弁護士も「昔よりは」随分増員されていますが、まだまだ「少ない」状況が続いています。東京に次ぐ都市である大阪でさえも登録者数は4000人強であり、東京とは比較になりません。

さらに地方部に目を向けると、新規登録弁護士数が100人を切っている単位会もいくつも存在します。

地方の弁護士の重要性

地方では弁護士のニーズなどあるのでしょうか?

それについては「ある」という答えになります。

もともと司法制度改革が行われた目的の1つは、地方における弁護士過疎の解消でした。

かつて青森などでは広範囲において対応できる法律事務所が1つしかないため、1人の弁護士が片道3時間かけて支部の裁判所に行くことも普通でしたし、住民も弁護士に相談できませんでした。そこで地方の弁護士を増やすため、司法試験の合格人数を増やしたのです。

現在でも、上記のように弁護士数の地方格差は解消されていないわけですから、地方における新規弁護士の需要は高いままです。

また地方では、弁護士数が少ないので若手の弁護士が重宝してもらえます。東京のようにドライに扱われることはなく、他の弁護士とは顔見知りで先輩弁護士によって丁寧に指導してもらえることも多いです。

住民も弁護士に対する態度が丁寧であり、当然のように高額な費用を払ってくれるクライアントも多くなります。お金持ちだからという意味ではなく、「弁護士には金がかかる」という社会通念が強く残っているためです。地方では物価が安いのに弁護士の収入は高いことも普通によくある話です。

さらに労働時間は都会の弁護士と比べて短いケースが多数です。

地方に就職する場合の注意点

ただし地方就職は良いことばかりではありません。

関係が密な分、逸脱した行動をとりにくい

地方では弁護士数が少ないため、弁護士会の他会員との関係が密になります。そこで1人だけ逸脱した行動や変わった行動をとると、居心地が悪くなってしまう可能性が高まります。出る杭は打たれる的な要素がありますし新しいものの導入は遅くなるので、刺激がほしく奔放に生きたい方には向かない可能性があります。

いったん地方に就職すると都会に出るのは難しくなる

当初に東京や大阪に就職してその後に地方に移る方は非常に多いのですが、その逆は少ないです。若いうちには都会生活を経験しておきたいという方は、いきなりの地方就職はお勧めしません。

やりたい事件をできるとは限らない

地方で取り扱うのは、地元住民のトラブルについての一般民事や離婚、相続、刑事事件や地元の小さな中小・零細企業の法務がメインになってきます。都会で扱うような、いわゆる「華々しい事件」は扱わないことが多いです。

収入的には低くならなくても「やりたい事件ができない」可能性があることに注意が必要です。

また弁護士数が少ないため「来た事件は何でもやらないといけない」状態に陥りがちです。

まとめ

結論として、弁護士の地方就職はお勧めです。ただし向き不向きがありますし、都会育ちの方などは移住先に適応できるとは限りません。地方に就職するなら現地を訪問してしっかり見定めてからにしましょう。

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