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日本の刑事司法の在り方について

日本の刑事司法の在り方について

日産の前会長ゴーン氏の逮捕をきっかけとして、日本の刑事司法に対し諸外国からの批判が集まっています。

そもそも日本の刑事司法は諸外国から責められているような「前近代的」「人権軽視」なものなのでしょうか?

あなたやあなたの大切なご家族が逮捕されたときのためにも知っておく必要があります。

以下で日本の刑事司法のあり方について、考えてみましょう。

ゴーン氏の長期勾留で批判される日本の刑事司法とは

今回、ゴーン氏の逮捕とその後の長期拘留により日本の刑事司法のあり方が大きく批判されています。実際にはどういった制度になっているのでしょうか?

日本の刑事司法とは

日本の刑事司法~逮捕から起訴までの流れ~

日本では逮捕されたらその後3日以内に「勾留」が行われ、勾留されるとその後最大20日間勾留が継続します。その間、いろいろと取り調べを受けたりして捜査が進められます。

20日が経過したら、検察官が起訴するか不起訴にするかを決定します。

刑事司法の問題点①録音や録画の制度がない

日本では、取り調べの際に録音や録画をする制度はありません。取り調べ時に強制などの違法行為が行われていても監視しにくい状況となっています。

刑事司法の問題点②弁護人の立会権がない

また取り調べに弁護人が立ち会う権利もありません。ドラマなどでは弁護士が取り調べに立ち会って横からいろいろと言っているものをみかけますが、実際にはそういった状況ではありません。

刑事司法の問題点③事件単位の原則

さらに今回問題視されたのが、「事件単位の原則」です。

日本の刑事司法では、「逮捕事実」ごとに勾留などの身柄拘束が行われます。たとえば似た時期に2つの物を盗んだ場合、1つ目の窃盗で逮捕と20日の勾留、その後2つ目の窃盗で逮捕と20日の勾留…、という繰り返しをエンドレスに続けることができて、勾留期間が無限に長引いてしまうと言われているのです。実際にゴーン氏の件も、2回似たような虚偽記載の罪で逮捕勾留されています。

こうした日本の現状が「まるで中世のよう」「人権軽視」として、諸外国(特にフランスのメディア)から強く批判されました。

日本の司法はどうあるべきか

それでは日本の司法はどうあるべきなのでしょうか?

これについては人それぞれの考えがあり、また捜査機関側には「犯罪抑止」「適正な処罰を与える」という重要な役割がありますから、被疑者の人権だけを強く叫べば良いというものではありません。

私見としては、取り調べの可視化や弁護人立会の権利は認められるべきと考えています。

取り調べの可視化

取り調べの可視化について

取り調べの可視化とは、取り調べの経緯を録音録画する制度です。違法な取り調べを廃除するためには必須と言えるでしょう。今は監視カメラなどのコストも非常に下がっているので、導入は難しくないはずです。諸外国でも取り入れられている国がたくさんあります。

実際に、日本でも弁護士会などは以前からすべての取り調べに録音録画を進める運動を行っています。こちらについては早急に導入すべきと言えるでしょう。

弁護人立会権について

取り調べに対する弁護人立会権も認めるべきと考えています。

弁護人が立ち会っていれば、暴力や威迫、異常な長時間の取り調べなどの不当な行為はできなくなるからです。

また被疑者の知能の程度などの問題で、捜査官の意図を被疑者が理解しにくいケースなどでも、弁護人が援助することによって適正な取り調べや調書作りを実現できるでしょう。

事件単位の原則について

一方事件単位の原則については、いきなりこれを廃止することに問題があると感じます。日本の刑事司法の根幹に関わる部分ですし、人単位にすれば人権を守れるものでもないので、変更するとしても十分議論を尽くし慎重に検討する必要があるでしょう。

まとめ

刑事司法というと日常生活に無関係で他人事のイメージもありますが、意外と身近な問題です。巻き込まれてからでは遅いので、こういった機会にでも一度考えてみてください。

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