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企業におけるコンプライアンスとその重要性!

企業におけるコンプライアンスとその重要性!

コンプライアンスという用語は「法令遵守」という意味がありますが、企業その他でのモラル遵守という意味合いで、今や日常的に使われています。それでは企業の法務部ではコンプライアンスをどのように扱い、何に留意してマニュアルを作成していけばいいのでしょうか?ここでは社内ルールや相談窓口などを整備する際の注意点、社内でのコンプライアンス徹底のために法務部ができることなども含めて、企業におけるコンプライアンスの意味と重要性を解説していきます。

コンプライアンスを説明できますか?

コンプライアンスとは、一般的には「法令遵守」と捉えられています。英語のcomplianceは、受け入れる、迎合、親切など「従順さ」を表す言葉ですが、日本で「コンプライアンス」と言うと、ほぼ法令遵守、特に企業内のルールに従うという意味で捉えられます。

近年、特にコンプライアンスが注目されています。安倍政権で経済政策として打ち出された「アベノミクス」では、経済のグローバル化のため、企業の不正防止と監視・監督のシステムを強化しようと企業に呼び掛けています。このシステム強化に必要なのが、法律に則って企業内でのルールを徹底すること、つまりコンプライアンスなのです。

例えば記憶に新しい、日産自動車前会長カルロス・ゴーン氏の事件のように、今や企業の不祥事は国際的な問題に発展しかねません。不祥事が多発すると世界経済にも悪影響を及ぼすことから、経済政策として企業内の監視・監督の仕組みを作ることも必要になってきます。その仕組みがコーポレートガバナンス(企業統治)であり、コーポレートガバナンスの基礎になるのが、企業内でのモラルを守るためのコンプライアンスです。

コンプライアンス業務はなぜ必要なのか

コンプライアンス業務

企業などで弁護士として採用された場合、一般的には法務部の所属になります。法務部とは、企業内での雇用問題や金融処理など、法律の絡む問題に幅広く対応するための部署です。近年、この法務部ではコンプライアンス業務が重要視されています。

コンプライアンス業務とは、社内でのルールを整備するだけではなく、一般社員に対するコンプライアンス教育やマニュアル作成、内部監査など、コンプライアンスに関わる業務全般を指します。またベンチャー企業や中小企業では、社内ルールや就業規則が完備していないケースもあるため、基盤となる規則の整備と社員教育は特に必要です。

それではなぜ、コンプライアンス業務が重要視されているのか。先に述べたコーポレートガバナンスの基礎になるからです。特に上場企業では、金融庁と東京証券取引所が発表した「コーポレートガバナンス・コード」という、いわば社内改善のためのルールがあります。しかもコーポレートガバナンス・コードを理由なく実行しないでいると、違約金などのペナルティがあるのです。

企業の利益や信用のためにはコーポレートガバナンス・コードを守ること、コードを守るには法律に則った企業のルールやモラルを全社員が守る必要があります。そこで法務部は、企業のルールを明文化・マニュアル化して社員に教育する、コンプライアンス業務を行います。

コンプライアンス業務で求められる弁護士

企業の法務部で行うコンプライアンス業務は、社内全体のルールをまとめることから、他部署との連携が必要になります。そのためコンプライアンス業務を行う弁護士は、法律の位知識だけではなくコミュニケーション能力も必要でしょう。また外資系企業など、職場や業種によっては英語など語学力も求められます。

その他、ルールを作るには社内や業界の事情も知っておく必要があるため、所属する会社の業務や、業界の知識も幅広くあるといいでしょう。コンプライアンス業務は法律の知識だけでは太刀打ちできません。特にコンプライアンス窓口を新しく導入する場合、社内で不文律になっている慣習が残っていることがあります。「なあなあ」になっている慣習がコンプライアンス違反に当たるケースもありますが、経歴の長い社員ほど不文律に気づきません。

コーポレートガバナンスは、うまく仕組みを作ると長期的な経営戦略として使えるものになります。そこで基礎となるコンプライアンスが曖昧では仕組みが崩れます。良くない慣習に気づくには、外部の専門職などとも連携できる弁護士が必要になるでしょう。

コンプライアンスは経営戦略の基礎

ここまでコンプライアンスの重要性を解説してきましたが、コンプライアンスは単にルールを守れ、という話ではありません。近年ESG、環境・社会・ガバナンスといった要素が重要視されているように、社会的にモラルのある経営をすることが企業に求められています。またグローバル化した社会では一つの企業でおきたコンプライアンス違反が、世界経済にも悪影響を与えかねません。コンプライアンスの徹底は経済政策にもつながります。コンプライアンス業務にも視野の広さを持つことが大切です。

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