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インハウスロイヤーの役割と現状

インハウスロイヤーの役割と現状

インハウスロイヤーとは?

「インハウスロイヤー」という言葉は、あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、企業の法務部など、企業の内部で働く弁護士のことを言います。法律事務所で働く弁護士と違って、インハウスロイヤーは企業の従業員として、企業から給料を貰って働きます。

法律事務所で働く弁護士が、個人や企業から個別に依頼を受けて業務を行なっているのに対し、インハウスロイヤーはあくまでも会社の従業員なので、個別に依頼を受けるのではなく、会社の仕事として業務を行います。

しかし、その業務内容は多岐にわたります。会社が取引する際の契約書のチェック、会社内での労働問題等の法律問題の対応、会社が保有している特許についての管理、会社が裁判を抱えているときの裁判対応、会社の顧問弁護士との対応、会社がM&Aをするときの法的リスクのチェック、海外企業との取引における現地法のチェック、株主総会や取締役会を開催するにあたっての法律指導など、一つの法律事務所にいたのでは経験することができないほど多くのジャンルの仕事を経験することになります。法律事務所で働く弁護士は、依頼先、顧問先によって業務内容が偏ってくるのに対し、インハウスロイヤーは会社の全業務の法律問題に関わるため正に総合力が問われます。

インハウスロイヤー現状

企業のコンプライアンスに対する意識が高まり

近年は、企業のコンプライアンスに対する意識が高まり、このようなインハウスロイヤーに対する需要が急激に高まっています。実際にここ数年は毎年200人以上の新たなインハウスロイヤーが誕生しており、2001年には日本全国でたった66人しかいなかったインハウスロイヤーが、現在では2161人にまで増えています(2018年6月1日時点)。これは日本の弁護士全体の5.4%にも上る数で、年々この割合は高まっています。多くの企業が集まる東京では特にその割合が高く、東京の弁護士会(東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会)に所属する弁護士の9.4%がインハウスロイヤーという割合になっています。

企業のインハウスロイヤーに対する需要も高まっていますが、弁護士や新人弁護士候補(司法修習生)の中でもインハウスロイヤーの人気が高まっており、毎年多くの人がインハウスロイヤーを目指して就職活動をしています。インハウスロイヤーの求人は、ほとんどが日本中にある数百人から数万人規模の会社の一部門としての求人なので、募集も多く、倍率も法律事務所ほど高くないことが多いとされています。

ちなみに2018年6月時点でもっとも多くインハウスロイヤーを抱えている企業はヤフーでその数は27人に上ります。これは中堅規模の法律事務所と同程度の弁護士数です。2位は野村證券の23人、3位は三菱商事の22人と、誰もが聞いたことのあるような大企業の名前が続きます。

まとめ

近年の企業のコンプライアンス意識の高まりから、インハウスロイヤーの求人は今後も増え続け、当分減ることはないと考えられています。

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