インハウスロイヤーのメリット・デメリット

インハウスロイヤーのメリット・デメリット

ますます需要が高まるインハウスロイヤーですが、インハウスロイヤーとして働くことには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリットとデメリット

現在、新しく弁護士になる弁護士候補(司法修習生)の中で、インハウスロイヤーに対する人気は高まり続けています。また、弁護士として法律事務所に勤務していた弁護士でも、法律事務所を辞めてインハウスロイヤーになる途を選ぶ人が増え続けています。なぜ、インハウスロイヤーはそんなに人気があるのでしょうか。

 一番わかりやすい人気の理由はその安定性にあります。法律事務所に勤務弁護士として勤務する場合、労働者として働くのではなく、あくまで1人の個人事業主として働くので、成果が上がらなければ1年で契約を切られてしまうこともあります。1年で契約を切られる弁護士は滅多にいませんが、2年、3年で契約を切られる弁護士は珍しくありません。そのため、いつまで勤務し続けられるかわからないという不安は常に付きまといます。

また、法律事務所はどれだけ大きい事務所でも、従業員数は弁護士と事務員を合わせて1000人規模です。実際には従業員数人から数十人規模の法律事務所がほとんどです。これに対し、インハウスロイヤーが勤務する企業の場合、数千人から数万人規模の企業も珍しくありません。当然、この差は経営の安定性に関係してきます。

ワークライフバランスの問題も

そして、ワークライフバランスの問題もあります。法律事務所で働く弁護士は労働者ではないので、残業代などもなく、深夜まで働いたり、土日も働いたりすることも珍しくありません。刑事事件の被疑者や個人の依頼者となると、土日祝日関係なく対応しなければならないことも多く、定期的な休みを取ることは難しいという現状もあります。これに対し、インハウスロイヤーは、あくまで会社の労働者なので、会社の決められた労働時間に従って働くことになります。土日祝日は基本的に休みというところがほとんどで、残業規制もあるので法律事務所のように毎日遅くまで働くということも通常ありません。家族との時間を大事にしたいなどの理由でインハウスロイヤーを希望する人も増えています。

弁護士としての職務内容でも、インハウスロイヤーには法律事務所にはない魅力があります。依頼によって業務が偏る法律事務所と異なり、インハウスロイヤーは会社の全業務の法律問題に関わるため、特許から労働問題、株主総会指導、契約書のチェックなど、幅広いジャンルの仕事に携わることができます。

弁護士としての職務内容でも、インハウスロイヤーには法律事務所にはない魅力があります。

もちろん法律事務所にもメリットはあります。収入などで言えば法律事務所の弁護士の方が良い面もあります。特に大手法律事務所の弁護士の場合、1年目でも1000万円前後の収入を得ることは珍しくなく、普通の会社員に数万円加えた程度の月給であることが多いインハウスロイヤーとは大きな差があります。

また、法律事務所の弁護士の場合、事務所の仕事以外に国選刑事事件や個人で受任する一般民事事件など個人的な仕事も行うことができ、社会的弱者の救済に役立つような公益的な仕事をライフワークとして行うこともできます。インハウスロイヤーの場合、会社にもよりますが、基本的に会社以外の仕事というのは認められません。

まとめ

一概に法律事務所と企業のどちらが良いとは言えませんが、自分の求める仕事やライフスタイルに応じて、どちらも選べるという現状は弁護士資格にとって非常にポジティブな要素になっています。

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