法テラスや国選をやるべきか?

法テラスや国選をやるべきか?

町弁の事務所に就職された若手の方は「法テラス」や「国選」の事件をやるべきかやらないべきかで迷っておられるのではないでしょうか?

これらの事件は報酬が安いにもかかわらず手間がかかって大変なため、敬遠する若手弁護士の方も多いです。

ただ、始めから全くやらないというのはお勧めではありません。

以下では若手弁護士のキャリアと法テラス・国選事件について、考えてみましょう。

法テラス・国選事件について

法テラス、国選の問題点

まだ弁護士になっていない方は法テラスや国選についてあまり詳しくない方もいるかもしれませんので、簡単にご説明をします。

法テラスとは

法テラスは日本司法支援センターと言って、経済的に余裕のない方のために法律的な支援をするための機関です。弁護士による無料相談や民事事件・家事事件における弁護士費用の立替業務を行っています。

国選とは

国選弁護人は、資力がない被疑者や被告人が無料でつけられる刑事弁護人です。

これらの制度は両方とも「お金のない人でも弁護士に依頼できる」という点が一番のメリットとなっています。

弁護士報酬が安すぎる問題点

しかしそれは、裏を返せば「弁護士報酬が安い」ことにつながります。法テラスを通じて事件の受任をした場合、報酬は「法テラス基準」となります。すると、一般的な弁護士事務所の報酬基準より大幅に低くなってしまいます。弁護士にしてみると、事務所基準で直接受任したケースと労は変わらないのに報酬が激減して損をした気持ちになってしまいます。

国選弁護はなおさらひどいです。認めの事件でも否認事件でも変わらず非常に低い報酬額なので、弁護士にしてみると「がんばればがんばるほど苦しくなる」制度となっているのです。

手を抜くと弁護士倫理上問題がある

それでは、法テラスや国選だからといって適当に手を抜いて仕事をすればよいのでしょうか?

もちろんそのようなことは許されません。弁護士は依頼者から委任を受けて仕事をする以上、誠実に事件を処理すべき義務を負います。また法テラスや国選であっても、依頼事項は本人の人生に関わる重大事です。適当に手を抜いて不利な結果になると、損害賠償請求されてしまう可能性も高くなってしまいます。

このように、法テラスや国選は負担が大きくなりすぎるため、若手弁護士の中には「もう法テラスはやらない」「国選の契約を切った」という方も増えています。

法テラスや国選は負担も大きくなりがち

少なくとも当初は受任すべき

それでは実際に法テラスや国選の事件はやらない方が良いのでしょうか?

確かにこれらについて「一生懸命やればやるほど弁護士がしんどくなる」という構図はどうにか改善されないといけないでしょう。

ただ、だからといって「法テラスや国選を始めから一度もやらない」という対応はお勧めではありません。特に弁護士登録した当初は、事務所の事件を少しずつ振られるだけで自分の個人事件などもなく時間がたくさんあるでしょうから、「いろいろ経験する」意味でこういった事件にも積極的に取り組むことが大切です。国選弁護を多数こなすことで刑事事件に慣れ、後に私選弁護を引き受ける際に効果的な弁護活動を展開することも可能となります。

また、これについては考え方ですが、慣れてきたとしても法テラスや国選の契約を切らず、たまには受任して活動するのも良いでしょう。周囲が「やらない」と言っているから自分も「やらない」のではなく、弁護士なのですから周囲に影響されず、独立して自分基準で判断することが大切です。

自分基準を持つことは、法テラスや国選問題に限らず弁護士人生で非常に重要なスタンスですので、覚えておいて下さい。

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