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数字で見る日本の司法

数字で見る日本の司法

裁判所では、日々多種多様な事件が受け付けられています。民事や刑事、家事、地裁の事件や簡裁の事件など、いろいろです。

こうした訴訟の件数は、近年増えているのか減っているのかご存知でしょうか?

今回は、裁判所においてどのような事件が増えあるいは減っているのか、また弁護士関与の状況がどのようになっているのか、「数字」から司法の現状を読み解いてみましょう。

裁判所においてどのような事件が増えあるいは減っているのか

刑事事件/少年事件数が減っている

まず、裁判所の発表している司法統計にもとづく資料によると、平成25年~平成29年の間において、全体的な事件の数は350万~360万件で推移しており、大きく変わっていません。しかしその中でも、刑事事件や少年事件は大きく減少しています。成人の刑事事件は105万件→95万件程度になっていますし、未成年の少年事件は12万3千件から7万4千件程度にまで大きく減少しています。今後もこの現象傾向は続く可能性があります。

家事事件数が増えている

一方新受件数が増えているのが、離婚や遺産相続などの家事事件です。

平成25年当時は91万件だったものが、平成29年には105万件にまで増えています。ただ後に説明しますが、増加しているのは主に遺産分割調停・審判であり離婚関連ではありません。

相続関係が数字を延ばしているのは、高齢化社会によって相続対策を行う人や社会の意識の変化によって遺産分割調停を起こしてでも遺産を公平に分けたいと考える方が増えたことなどが影響していると考えられます。

今後も家事事件数の増加傾向は継続するでしょう。

破産管財人の活動は大きく減少

これまで多くの弁護士が収入源の柱としてきた破産・債務整理関係はどのようになっているのでしょうか?

日弁連の発表しているデータによると、2005年当時には破産管財人の件数は19万2千件ほどあったものが、2017年には73751件にまで大きく減少しています。

同時廃止の件数が増えている可能性もありますが、それだけでこのように半分以下に減少することは考えにくく、破産件数自体が減っていると考えるべきでしょう。このことからすると、これからは債務整理事件だけに頼って事務所経営を試みるのは危険と言えます。

地方裁判所の事件における弁護士関与率は上昇

地方裁判所の民事事件において、弁護士が関与する割合はどの程度になっているのでしょうか?

これに関して原告被告の双方に弁護士がついている事件の割合は、かつて2005年に39%程度だったものが現在は46.1%程度にまで増加しています。この点からすると弁護士のマーケティングが成功していると言えるでしょう。

夫婦関係調整事件における弁護士関与率は増加

上記のように裁判所における家事事件の新受件数は大きく伸びていますが、夫婦関係調整調停に限って言うと、減少傾向にあります。2005年には6万1千件程度だったものが2017年には4万5千件程度となっています。

一方弁護士の関与率は、2005年の21.5%から2017年の49.0%と倍以上に延びており、この分野においては弁護士のマーケティングが大きく成功していると言えます。

夫婦関係調整調停

遺産分割調停における弁護士関与率も高まっている

近年ニーズの高い遺産分割調停事件において、弁護士の関与はどのくらいになっているのでしょうか?

1992年には71%程度、2002年頃にはいったん62%程度にまで落ち込みましたが、2017年には78.6%にまでV字回復しており、なかなか優秀と言えます。

以上のように、事件の種類によって件数が増加している分野とそうでない分野があり、刑事事件は減っていますが家事事件は増加しています。また全体的に弁護士が関与する分野は増えていると言えるでしょう。今後も弁護士がマーケティングの努力を継続し、関与率を高めていく必要があると言えます。

https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/statistics/reform/fundamental_statistics.html

http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/148/010148.pdf

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